その辺でくたばっている

会計士を目指したり、本を読んだりする

2021/9 会計士学習報告 無限回帰編

 2021/9/23から学習を開始した。手探りで集めるべき情報を考えているため、色々な問題があると考えらえる。それ含め、毎月のモニタリングによって改善していきたいと考えている。

目次

 

時間ベースの学習状況

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総合シート

 総合時間は48.65時間だった。一日平均は5.41時間。概ねこんなもんになるだろうなという事前予測と大体一致している*1ので、ほっとしている。ただし、一日平均時間は6.5時間まで増加させたいのが素直なところ。

 

進捗ベースの学習状況

 正確な表を現時点では作成していないため、文章のみの報告となる。というのも、後述するように、9月は自分が無理なく行える学習量を推定するため、自分に自由にやらせていたからだ。9日分のデータしかないが、これをベースに計画を策定していく。

財務会計

 上の表から分かるように、迷走に迷走を重ね、3,2級を概読*2してとおる1商基からパラシュート学習を行うのは断念した。Chapter01だけ演習まで行っているが、既知を仮定されている事項が多すぎて、俺にはハードルが高かった。とおる3級ー4まで。

 また、理論の理解の補助として現代会計学を使っている。概読後未復習のため当然ほとんど覚えていない。

 このような背景から、15時間も投じておきながら進捗率としては極めて悪いものと言わざるを得ない。以後は、3級2級を10日程度で一度演習を行うこと(つまり、記憶から抜け落ちても構わない)を目標とする。

管理会計

 とお2ー1,2,6と、素敵管理*3第2章1,2の概読。ほとんど何も行ってないと考えてよい。少しだけ経済を学んだことがあり、多分費用関数の最適化とかその辺のことを実務に寄らせた話なんだろうな~、と漠然と感じた。本屋で立ち読みした時に管理会計1級で線形計画法が難関とされていたことから、数学的なテクニカルさはそれほど心配していない。結局すべて会計学から始まるなと感じていることもあり、3級が一通り終わってから本格的に着手することとした。

監査論

 素敵監査*4第三章までまとめた。暗記量がさほど多くないと聞いていること、その性質を概観する感じ、社会の考え方(=法的な考え方)を先に知った方がよいだろうと考え、10月はあまり真剣に取り組む予定がない。一ヶ月掛けて全容を把握し、11月から正誤問題を回していくということでどうだろう。

企業法

 今月もっとも進捗があった科目。手応えは感じている。

法学入門(伊藤真)概読

破壊*5

破壊のAnki*6への記入(21項目/日)

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Ankiへの入力

 公正正義の感覚から利害関係の緩衝材になる、というのが法の基本的な理念であり、それさえ押さえておけば大きく誤解して先に進んでしまうこともなかろうと考えている。同教科書内で言及のあった外観法理も法人格否認の法理も、純粋に法を適用すると公正の感覚と不突合が生じるから得られた例外だと考えると分かりやすい。

 短答では論理的な深さを求められているわけではないので、暗記をメインに、Ankiで対応していく。1日2時間で24頁進み、21項目を入力することが出来ることがわかった。今後は詳細かつ難解かつ膨大な暗記量になるであろうから、ペースは2時間で15項目/日を仮定しておく。伊藤会社法は司法試験受験者向けだそうなので、10/13発売の『国家試験のためのよくわかる会社法』でインプットを進めていく予定。11月か12月以降、正誤問題を網羅的に行えることが望ましい。

 しかし、人類は本当に監視機構を作ることに苦労しているのだなと痛感する。いわんや自己監視をや……

計画策定のための重回帰分析

 それでも自己監視を行っていかなければならない。誰に、何者に、勝つつもりなんだ。自分に決まっている。

 自分が平均的にどういう行動をするのか推定するため、自分に対して暇な時間は極力勉強をする、というルール以外何も設けずに9日間行動させた。この時、集中時間を取るだけでは散布図が作れる程度であまり意味がないので、自分なりに仮説を立て変数を設定してみた。なお、統計学計量経済学をほぼ知らないままとりあえずデータを取っているため、間違いなく様々な問題を抱えていると考えられる。

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記録の例

仮説

被説明変数を集中時間とする。

仮説①:休憩時間が長ければ長いほど次の集中時間は長くなる。これは流石に成立してほしい。

仮説②:学習中に手を止めるほどではないが、集中が切れたな、と感じる瞬間がある。この回数は集中時間に強い相関を示す。

仮説③:インプット・アウトプットを区分した。インプットの学習ほど集中時間は長くなる。インプットを1とし、アウトプットを0とした。インプットとは、教科書を読むこと、まとめノートを取ること、と言った書いてあるものを理解するためのプロセスとする。アウトプットとは、与えられた問題を能動的に思い出すプロセスとする。

仮説④:やっている学習の深さが深いほど、集中時間は短くなる。ただし、連続な値で深さを表現することは難しいため、浅い学習と深い学習を予め区分し、1,0の二値を取らせた。たとえば、「ざっと教科書を読むこと」は浅いが、「教科書を解釈して概念ツリーを作ること」は深いだろう。アウトプットはその定義から深い学習にならざるを得ないが、インプットにはその浅さ、深さに明確な差があると想定される。

 

結果

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重回帰分析の結果

 さて、とりあえずやってみたはいいものの、なんと俺は計量経済学が全然分からない。数字が並んでいる、困った。深堀は避けたいが、結果を解釈するために何も知らないわけにもいかない。

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決定係数と係数とp値

 というわけで、最低限っぽいものを拾い上げた。Multiple Rは決定係数であり0.67を示している。つまり、これらの変数群で集中時間を決定出来ている度合いは67%だということだ(多分)。

 次に、左下の項目に移ろう。interceptは切片で、clは集中の切れた回数、time_rは休憩時間、s/dは深さダミー、i/oはインプット・アウトプットダミーである。これによれば、休憩時間はほとんど何の影響も与えていない。あれ~~~~~~???????????

 P-valueがいわゆるP値で、0に近いほどこの係数が誤りである可能性が小さくなる。しかし、これはどう考えても何かがまずい。休憩時間と、各ダミーが説明できていないっぽい。

 と、ここで、俺は重大なミスに気付いた。これは集中した後に取った休憩時間が説明変数になるようになっている。俺は直前の休憩時間との関係を知りたいのだった。

 仕方ないので、とりあえずtime_rのデータを下に一個ズラして再度重回帰分析を行ってみる。

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????????

 微妙にしか変わらないんですけど!!!何かがおかしいのかと思い、time_rのデータをあえて上に一つズラしても結果は変わらなかった。これは、要するに休憩時間は関係ないということを示唆している、ということでいいのか(??)

 なお、一応取っておいた時間データについて、時間を考慮した分析は何も分からず、高級な道具も使いそうなので、完全にお手上げである。

 

結論

 見事に道具に踊らされた。これほど道具に踊らされた例もそうないだろう。理論なくしては何も語れないという学びが得られたということで、ここはひとつ。人間は失敗から学ぶのだ。しかし、何もなく帰るのも癪なので、とりあえず、暫定的な結論を出してみよう。

仮説①:休憩時間が長ければ長いほど次の集中時間は長くなる。関係なし?

仮説②:学習中に手を止めるほどではないが、集中が切れたな、と感じる瞬間がある。この回数は集中時間に強い相関を示す。正しい

仮説③:インプット・アウトプットを区分した。インプットの学習ほど集中時間は長くなる。→?

仮説④:やっている学習の深さが深いほど、集中時間は短くなる。→?

 

 休憩時間と関係がないという仮説がもし正しければ、単に俺は休憩時間を予め定めて集中すべきである。仮説③,④についても、あまり気にしても仕方ないのかもしれない。俺の仮説では、大変でかつ思い出しながらする勉強は集中力を強く消費するので、長く続けるのが辛いのではないかと思っていたのだが*7。切片が35程度だったことから、35分-7分くらいの休憩ペースで進んでみようかと思う。

今後の課題

 とりあえずデータは今後も取り続けていく。将来の俺に期待したいし、もしかしたらデータの数が少なかったのかもしれない。将来の俺には、そもそも実証分析についてちゃんと学ぶことと、時系列込みの分析を期待したい。有意義な結論、欲しい~現実、甘くねえ~

 

 

参考文献

 重要な行動指針であり、本計画の核となっているが、いかんせん著者が超人すぎる。俺は計15時間企業法に時間を投じたわけだが、これを後6回繰り返しただけで著者は短答80点を取得している(企業法に投じた時間は108時間とのことだ)。そこで、本書を大きく引き伸ばし、学習プロセスもアレンジを加え、2~3倍の時間で通過することを想定して計画を作っている。

 もちろん、著者も自身が東大主席であることや、勉強慣れしていない人は数倍時間が掛かるであろうと言及しており、誰でも半年で受かれるなどと喧伝しているわけではない。真っ当な内容なのに、なぜこんな表紙になってしまったのか。おそらく著者の意図したデザインではなかろうが、いくらなんでもはないだろ、は。

 着実にバイブルと化してきている。アレンジしまくっているので原形が残っていないが、いくつもの技法を組み合わせている。成果が出たときに改めてまとめたい。

 俺はPDCAを回すぞ!!!!ところでPDCAって何?というわけで買った。学習に応用できることになっている。今月はあまり表面化していないが、その内使えたり使えなかったりする予定である。

 俺が実証分析の最初の一歩を歩むために流し読みした本。こんなひどい分析記事の紹介に使っていいのかという疑問さえある。使った人間(俺)の性能と、第一部と第二部しか読んでないまま実践したのでこんな有様だが、豊富な実例で取っ付きやすい入門書で、俺に自分自身を実証分析してみようと思わせてくれたきっかけである。面白いぞ。

*1:5から7時間の間に平均があるといいなと思っていた

*2:一通り文字と論理だけ追う読み方のことと対応するいい感じの語が見当たらなかったので、以後それを概読と呼ぶ

*3:スタンダードテキスト管理会計

*4:スタンダードテキスト監査論

*5:はじめての会社法

*6:SRSシステム

*7:なお、逆にtime_rを被説明変数としてみたデータは、相関を示さなかった。